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【立ち小便に有罪判決】犬のマーキングトラブルで飼い主が裁判沙汰になる境界線を調べてみた

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犬の散歩にトイレは欠かせない。外でしか用を足せない、という愛犬もいる。しかし…。場所によっては罪となり飼い主が訴えられる可能性があることをご存知だろうか。その現実を知るきっかけが、こちらのニュース。

ビルの駐輪場で立ち小便をしたとして、軽犯罪法違反罪に問われた男性(36)の控訴審判決公判が7日、大阪高裁で開かれた。福崎伸一郎裁判長は、現場が公共スペースに当たらないとして無罪とした1審大阪簡裁判決を破棄、現場は「街路に当たる」として科料9900円の逆転有罪を言い渡した。

 現場の駐輪場が、同罪で規定する「街路または公園その他の公衆の集合する場所」に当たるかどうかが争点だった。

(出典:産経新聞
人間の話である。立ち小便で36歳の男性が有罪に。1審では無罪。2審では逆転有罪、9900円の罰金を科せられた。

争点は、36歳男性が放尿した駐輪場が「街路または公衆の集まる場所」にあたるかどうか。
1審の判決は、公園などに比べて狭い=「公衆の集まる場所」ではないとして無罪。
2審の判決は、公衆の集まる場所ではないが、駐輪場が道路に面していることなどから、私有地ながら「街路」にあたるとして有罪となった。

では犬の場合はどうだろう。街路、公衆の集まる場所のいずれも用を足している光景を目にする。いや、している。むしろ好んでしている。

飼い主逮捕、なのか? 

今回の判決を受けて、犬のマーキングが罪になるか弁護士の見解を取材している記事があった。冒頭のとおり、罪になる可能性がゼロではないらしい。

マーキングが罪になるケース

ソースは弁護士ドットコムの記事
あくまでの可能性の話として前置きした上で、動物愛護管理法第7条を根拠に次のように指摘している。

動物を所有している人には、その動物を適切に飼育することや、動物が他の人に害や迷惑を及ぼすことがないよう気をつける義務があるということです。この規定は努力義務であり、違反しても罰則はありません。

つまり、動物愛護管理法での罰則は受けないということ。しかし・・・。

いわゆる動物愛護条例(例えば、大阪府動物の愛護及び管理に関する条例3条3号には「公共の場所並びに他人の土地及び建物等を不潔にし、又は損傷させないこと。」という規定があります)により、飼主が措置命令を受ける可能性があり、飼主が措置命令に違反した場合は、法的な制裁を受けるおそれがあります。
ただ、マーキングはペットの本能に根ざした行為ですから、これをさせないようにする措置命令が可能かどうかは今後の判断に委ねるしかなさそうです。

動物愛護条例により法的な制裁を受ける、つまり裁判で有罪になる可能性があるということ。
人間の例と比べてみよう。

・36歳の男性が駐輪場で立ち小便をして有罪になったのは、軽犯罪法違反。
 争点は「街路または公園その他の公衆の集合する場所」にあたるかどうか。
・例としてあげられている大阪府の条例は「公共の場所並びに他人の土地及び建物等を不潔にし、又は損傷させないこと。」
・人間「街路または公園その他の公衆の集合する場所」
・飼い主「公共の場所並びに他人の土地及び建物等を不潔にし、又は損傷させないこと。」

記事では判例がないので微妙な言い回しになっている。が、文面だけ読むと、訴えられれば裁判沙汰になる可能性があるようだ。条例ができるということはトラブルが多いことの裏返しともいえる。

弁護士ドットコムをみると、マーキングをめぐるトラブルを相談するケースが散見される。器物損壊罪で現行犯逮捕は可能か?という相談も寄せられていた。
今回の記事でも・・・。

ペットが他人の物にマーキングをしたことにより、事実上または感情上その物を本来の目的に使うことができない状態にさせた場合は、器物損壊罪(刑法261条)に該当する可能性がゼロではないと思います。

器物損壊罪が適用されるケースが考えられるようだ。
さらに、花を枯れさせた、門柱が錆びた、隣のベランダから糞尿臭がひどい、夜中のむだ吠え・・・etc など実害や精神的な苦痛をこうむったとして損害賠償請求や傷害罪に該当するケースもあるという。

まとめ

犬のマーキングは本能で自然な行為。一方で、マーキングに頭を悩ませている人たちがいて、止めてもらいたい一心で弁護士などに相談している現実がある。いま一度大阪の条例を読んでみよう。

大阪の条例「公共の場所並びに他人の土地及び建物等を不潔にし、又は損傷させないこと」は一部。
他にもこんな内容が。

一 動物の種類、数等に応じて必要な飼養施設を設け、適切に給餌及び給水を行うこと。
二 飼養施設の内部及びその周辺を常に清潔にし、悪臭等の発生を防止すること。
三 公共の場所並びに他人の土地及び建物等を不潔にし、又は損傷させないこと。
四 自己の飼養する動物の鳴き声等により、人に不快の念を生じさせないこと。
五 自己の飼養する動物が逸走した場合は、これを自ら捜索し、収容すること。
六 自己の飼養する動物をみだりに繁殖させないようにすること。
七 自己の飼養する動物を捨てないこと。
八 前各号に掲げるもののほか、自己の飼養する動物により、人に迷惑をかけないこと。

清潔な環境を保つ、マーキングには水をまく。フンは必ず始末する、私有地には足を踏み入れない、人を不快にさせる行為はしない・・・。
これらの当たり前のことを守るか否かが裁判沙汰の境界線となる。
愛犬家もそうでない人も共にストレスなく生きられる社会は、相手の気持ちに寄り添うところから始まるのではないだろうか。

(日々つむ編集部)









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