犬を飼いたいと思っても飼わないほうがいいケースがあります。その参考になる記事を見つけたので紹介します。日本動物愛護協会が取り上げた飼い主に必要な10の条件です。「ペット」ということで猫も含めていますので犬に特化した上で紹介します。
これから犬を飼おうと考えている方、10の条件を読んだ上で今一度家族と話し合いを。一人暮らしでも飼うことができますので参考にしてください。
①住宅がペットを飼える状況にあること
ペットと安心して暮らすためには、ペットを飼える住宅に住んでいることが絶対条件です。また、「ペット飼育可」の集合住宅であっても決められたルールを守り、その集合住宅内はもとより、周辺の住宅や環境への配慮を心掛けなければなりません。
ペットOKの集合住宅であっても、匂いや鳴き声などをめぐって隣人からクレームがくることがあります。ベランダに干している洗濯物に匂いが移った、抜け毛がついて困っている、トイレがくさいなど様々なトラブルが報告されています。隣だけでなく下の階からもクレームがある場合があるそうです。引っ越しできない事情を抱えている場合には、手放すことになりかねません。
②ペットを迎えることに家族全員の合意があること
ペットを家族に迎えるにあたっては、その家族全員が合意していることが大切です。十数年の寿命を持つ犬や猫を飼う際には特に重要です。
どのような家庭でも、10年以上の歴史を重ねていくうちには、家族構成や生活環境の変化が起こる可能性があります。そのような中であっても、家族全員が動物と暮らすことに合意をしているのであれば、家族に迎え入れた動物もその一員であることが前提となった対応がなされていくでしょう。そうあって欲しいものです。
子供が欲しがった場合、結局親が面倒をみるケースを多く耳にします。ワンコを連れていくおでかけは一緒に入れる施設や飲食店が限られ、ペットOKのホテルも限られます。お留守番が苦手なわんちゃんもいるので安心して預けられる人がいなければ旅行にも出かけられない可能性が出てきます。お散歩は毎日、外でしかトイレができないわんちゃんもいるので、嵐や大雪のときも散歩しなければならないかもしれません。そんな日々が15年以上、続くことを想像しながら家族間で話し合ってみてください。
③動物アレルギーの心配がないこと
家族内にアレルギー体質の方がいる場合には、事前に専門病院で動物アレルギーについても検査をしてもらいましょう。もし動物アレルギー発症の可能性のある場合には、どのような対策を講じるか、飼う、飼わないも含めて家族内で十分話し合いをしましょう。
なかなか動物アレルギーかどうか検査してから飼うという人は少ないかもしれません。検査した上で飼ったという話もあまり聞いたことがありません。小型犬を飼うとなると、ほぼ飼育スペースは室内になります。もし動物アレルギーの家族がいたら、そばには近づけないので生活動線を完全に分離しなければなりません。ワンコはアレルギーであることを知らないのでコミュニケーションをとりたがるでしょう。きっと家族みんなのことが大好きになるので。犬と飼い主の家族、お互いに辛いことだと思います。家族や親戚に動物アレルギーの方がいたり、アレルギー体質で心配という方は検査を受けてみてください。しっかり飼える環境が整っていても、アレルギーであれば飼わないことです。
④そのペットの寿命まで(終生飼養)飼育する覚悟があること
犬も猫も、適正に飼養すれば10年以上生きることができる動物です。動物を迎え入れた家庭は、そのペットの命を、寿命をまっとうするまで預かることになるのです。10年以上にわたって給餌、給水、快適な生活環境、健康管理を続けなければなりません。
ペットを飼いたいと思ったら、このことも十分考えてください。
15年以上とありますが、犬の寿命は延びていて20年近く生きるワンコも増えています。医療の進歩や食の向上、室内で飼うなどの環境がよくなったことがあげられます。実際、お散歩の途中で会ったことがなんどもあります。神奈川では65歳以上の方に犬や猫の譲渡はお断りしているそうです。中高年から飼い始める方は終生飼養できるか考えておく必要があります。
⑤世話をする体力があり、その時間をさけること
ペットを家族に迎えれば、飼い主は、当然その動物のために時間を割かなければなりません。食餌や水を適切に与え、トイレの掃除、快適な生活空間の維持、犬の場合は散歩、種類によってはブラッシングなどの手入れなど、これらをこなせる時間と体力がなければなりません。
子どもの希望で飼い始める家庭もよくありますが、数か月後には世話は親の担当になってしまった、などもまれなことではありません。
これらのことを十分念頭に置いて、動物種、成長したときの大きさなどを、飼うか飼わないかを含めて、検討して下さい。
トイプードルの犬編集長はお散歩は朝と夕方の2回、食事は朝と夜の2回、トイレは夜中に2、3度やるたびに掃除してくれと起こしにくるくらい、キレイ好き。月に1回のトリミングは必須で、ブラッシングや寝る前の歯磨きも欠かしません。歯石や歯のトラブルは健康寿命の大敵だからです。子犬の頃に飼った場合、思った以上にカラダが大きくなることがあります。その分お散歩は大変になります。たまに、自転車で散歩させている人を見かけますが匂いもかげずにかわいそうな行動です。お散歩させる体力が15年以上続くのか、じぶんの体に相談する必要があります。
⑥高齢になったペットの介護をする心構えがあること
適切に飼育すれば、ペットも長生きします。しかし、それに伴って、ペットも老衰や認知症になるケースが増えてきています。
動物を家族に迎える以上、高齢になった動物の介護をする心構えも必要です。
夜中のあいだ、ずっと吠え続ける・・。これも認知症の一つ。悩んだ挙句、介護施設に預けたという話を聞いて複雑な気持ちになりました。現状で同じことが起これば、住み続けることができないからです。動物病院で声帯を切る、選択肢もあると聞いたことがあります。
高齢になったペットの介護がつらい、という飼い主は増えており社会問題といってもいいでしょう。
⑦経済的負担を考慮すること
ペットは生きています。食餌代ばかりでなく、生活用品、ワクチン代など、人と同じようにいろいろな費用が掛かります。特に医療費は、病気やけがによっては思わぬ高額になる場合もあります。
民間会社によるペット保険はありますが、公的な保険制度はありません。動物を家族に迎えれば経済的に負担がかかる、ということも承知しておく必要があります。
15年以上飼うとすると、だいたい200万円から300万円かかるといわれています。犬編集長はすでに100万円は使っています(3.7キロ、4歳のトイプードル)。毎日のトリミング代8000円。食事5000円、トイレシーツ代などの雑費、動物病院の検査や狂犬病の注射などの診察代を含めると月平均だいたい2万円はかかっています。知り合いはペット保険に入っておらず、100万円の手術代がかかったそうです。お金は思ったよりかかる、と覚悟しておく必要があります。
⑧必要なしつけと周囲への配慮ができること
ペットと家庭内で楽しく暮らすには、ペットにある程度のルールを覚えてもらう必要があります。
最近では、悪いこと(飼い主にとって不都合なこと)をしたら「罰を与えて叱る」しつけではなく、家族として楽しく暮らすためのルールを「誘導して覚えてもらう」タイプのしつけが主流になってきています。しつけをするのも動物との絆を深め、楽しみの一つとすることができます。
と同時に、飼い主もペットを飼ううえでのマナーを十分こころえ、家庭外、近隣社会に対して迷惑をかけないように配慮することが必要です。
しつけもどんどん変わっています。昔はよかったことは今はNGだったりします。首根っこをつかんだり、マズルをつかんだりして叱るのもNG。犬の習性を考えると、叱られてるのではなく褒められてることを意味しているそうです。でも、これも専門家によって意見が分かれるかもしれません。いずれにせよ、外に出たときに周りの人たちに迷惑をかけない、社会性を身につけさせるしつけは必要です。
⑨引っ越しや転勤の際にも継続飼養する覚悟があること
家族構成や、生活環境の変化、また、仕事の都合などで転居する必要が生じる場合があります。 しかし、ペットを家族として迎え入れているのであれば、転居先にペット飼育可の住宅を探すなど、ペットの終生飼養を心がけなければなりません。
引っ越しは犬を飼えなくなった理由としてとても多いようです。家族として迎え入れたのに、引っ越すから手放すというのは無責任というほかありません。今後引っ越す可能性があり、かつ飼えなくなる環境がおこりうるのであれば飼わないことです。
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⑩飼えなくなった場合の受け皿を考えておくこと
これまで、①から⑨までペットを飼ううえでの心構えを考えてきましたが、それでも不慮の事故など、さまざまな事情で飼えなくなってしまうケースが出てくることがあるかもしれません。万が一の際に、代わりに飼ってくれる人を見つけておくことも重要です。
一人暮らしで犬を飼っている知り合いは多いです。病気などで入院した場合、誰かに預かってもらわなければなりません。短期であればペットホテルに預けることもできますが、長期になると厳しくなってきます。飼い主の病気や亡くなるなどした場合でに備えて、代わりに飼育してくれる人に見つけておくことは大切です。
まとめ
すでに、飼っている身でも6と10など考えさせられました。
これから犬を飼おうと思っている方に、10の条件について改めて考えていただき、それから迎えるかどうかの判断にしてほしいと思います。犬は家族の一員であり、その命を飼い主に預け依存しなければ生きていくことができません。生涯、ずっと手のかかる3歳児なのです。
(日々つむ編集部)