46年間、泳げませんでした。息継ぎができないカナヅチ。かろうじてバタ足ができる程度でした。はた目には泳いでいるというより「もがいている」ように見えるかもしれません。よく犬と飼い主はよく似るといいますが・・・
△まさかの犬が犬かきをできないという事実。これじゃいけないと一念発起!不肖・飼い主、なんとか泳げるようになったんです。
クロールを習う
ジムの有料教室に週に1度、4回の授業でクロールをマスターしました。足の使い方や左向きに顔を上げるときの息継ぎなど、まだまだ未熟ですが一つの壁は突破できたかなと達成感があります。正直うれしい♪ というわけで、恥ずかしながら証拠動画を公開します。練習してるけどうまくいかない方の参考になれば幸いです。上手い人の映像も勉強になりますが、下手な人の泳ぎ方も参考になりますよ。
中高年の水泳×カナヅチからクロールをマスターする方法
コツその1とことん「下手」を楽しもう
まずは、泳げるようになったクロールの証拠動画です。ご覧ください。
いやあ、こんな体型だったんですね。クロールうんぬんより驚きました。108キロから89キロになったとはいえ、まだまだ肥えすぎです。
で、技術的なモンダイ。素人の自己分析です。2ビートで泳いでるのですが手足の動きがバラバラで連動していません。
そして、足が予想以上に沈んでいます。下っ腹(当サイトでお馴染みのツボ「関元」のあたりになります)に力が入っていない証拠ですね。
蹴り方、30点。ひざを使いすぎです。教えられたのは股関節を使った大きな動き。指摘されているのに、できていないことがわかりました。
でも、下手は下手でいいとおもいます。この年(46)になっても未熟さを自覚し、一歩ずつでも成長する喜びを味わえるのですから。
コツその2「けのび」をマスターせずして上達なし
まず、教えられたのが「けのび」でした。
けのび、知ってました?わたし(@1102tvみっちー)は知りませんでした。水泳をやっている人ならだれもが知っている基本中の基本らしいのですが。やり方はこちら。
- 壁を蹴る
- 体を伸ばす
以上。えっ?でもそうなんです。漢字では「けのび」=「蹴伸び」と書きます。全ての泳ぎの基本になります。
見ていただきましょう。
けのび、自分なりに意識しています。プールの壁を蹴って、体をまっすぐ伸ばします。このとき、大事なのが両腕です。肩をぐっと一段上げるように持ちあげて、しっかりと伸ばします。先生にはもっと伸びる、まだ伸びるといわれ続けました。
頭の位置にも注目。ぐっと顎を引いて両腕よりも下にありますね。視線は前方というより真下に近いイメージです。とくに初心者の方は頭が上がりがちなので意識してみてください。ちょっと足が不ぞろいになっていますが姿勢を崩さないのが基本です。
コツその3「息継ぎ(ブレス)」は水中で息を吐ききる
なぜ息継ぎができなかったのか、今なら分かります。 頭が上がっている状態でさらに頭を上げるのでバランスを崩していたのです。
見たことありませんか?頭のてっぺんが天井向いて息継ぎしてる人。視線は斜め後方を向くイメージです。
そして、息継ぎは発想の転換。水中に顔があるうちに、息を吐ききること。
意識は、「吸う」より「吐く」です。息を吸う水面より息を吐く水中です。顔を出して息を吸うことに意識が向きがちですが吐かなければ吸えない、という当たり前の事実を教えられました。
そういえば、泳げなかったときは吸うことも吐くことも顔を上げたときにしようとしていた気がします。
いまはどうにか鼻で吐ききって(水中)、口で吸う(水面)リズムができています。
でも、動画をみると吐いているように見えますね。安心してください、吸ってます。
コツその4息継ぎは「水面に入る手」を見る
さきほど、息継ぎの際の視線は斜め後ろを向くイメージと書きましたが、違う気がしてきました。
上手な人とちがうんですよね、動画を見ると。しらべているとアメリカの実業家ティム フェリスのコトバにであいました。
最後に息継ぎです。 多くの人に問題となる部分です クロールでこれを治すには 体を回転させたとき 戻す手が水に入るところを見ることです これだけで ずっと良くなります 大切なのはこれだけです
翻訳しているので、分かりにくいのですが「体を回転させたとき、戻す手が水に入るところを見ること」を自分なりに解釈するとこうです。
動画は息継ぎをしているとき、右腕を上げて戻しています。そのときの視線に注目。
右腕が一番高く上げた辺りで顔を水中に戻しています。水に入るところを全然見ていません。
たしかに今のままでは頭と手の動きがバランスがわるい。後日、実際にやってみたところ、劇的に推進力がついてました。ティムに感謝です。
コツその5下半身よりも「けのび」で推進
それにしても足の動きがまったくなってないですね。↓ カラダが左右にグラインドしすぎているのもあまりよくないです。
注目してほしいのは右腕です。伸ばそうと努力しているのが分かりますか?
そう、これ「けのび」です。肩からグイ~っと前に押し出そうとしているのです。手を水中に入れたあとは、内側から弧を描くようなイメージです。まだまだ全然アマイですが、押し出せば押し出すほど推進力がうまれます。
コツその6手の平で水を後ろに「押し流す」
けのびで伸びきった手を今度は引いていきます。
手の掻き方はレベルに応じて2種類あります。ストレートに後ろに押し流すが、腰までS字を描くように押し出していくか。
S字はいったん外に掻いたあと、お腹に向かい、さらにお腹から腰にむかって掻いていきます。
これがS字で手を掻く泳ぎ方。
わたしの先生には、シンプルにストレートに水を後ろに押し流す掻きかたを教えてもらいました。
ポイントは、水の塊りをつかまえているイメージを「手の平」で意識すること。
コツその7腕(手)は回さない「ヒジを上げる」だけ
これも習ってみて驚いたことの一つ。競泳選手を見ていると腕をグルングルン回して入るように見えますね。イメージは肘を上にあげるだけ。
クロールは微妙に回転しながら推進していくので肘を上げるイメージでいいのです。以上が今のところわたしが気を付けているクロール習得のコツ。さきほども紹介したティムのクロール習得法も紹介しておきます。
- 流れるように右から左へと 回転させる
- 胴体をまっすぐ保つ
- 腕は、頭より低くかなり前に伸ばす
- 全身が水中に入る
- 脚は蹴るのではなく、返す感じ
- 手の浸水位置は 真正面の水をかくのではなく 腕を45度の角度で 入れる
3つめが違いますね。脚のイメージは、同じ理屈。浸水位置はs字プルと同じ原理だとおもわれます。体幹はブレずに保ちながら「けのび」の姿勢で腕をグイ、グイと伸ばしていく。
ん~このイメージを保ったまま、また泳ぎたくなってきました。水泳は今後も記事にしていきます。ゼロから水泳を始める皆さんの、少しでも参考になれば幸いです。
反面教師にしてくださいね。
(日々つむ編集部 みっちー)
追記:NHK流クロール術
NHKの10代向け番組「すイエんサー」でクロールを上手に泳ぐ方法を紹介していました。基本はまったく同じでした。
体を上手に浮かせるコツと腕のかき方
ポイントは次の3つです。
①モデルポーズ
②ゆらゆら足
③体から水かき
モデルポーズ?要は「けのび」に通じるもの。
①モデルポーズ
モデルポーズとは次の3つです。
・両腕を伸ばす
・体をそらす
・顔を前に出す
この3つのポーズで、体を浮かせることができるようになります。
解説も「けのび」に通じています。
【解説】
水の中で下半身がしずんだ状態では、水の抵抗を大きく受けてしまい、前に進みづらくなります。
体を水平にすることができれば、水の抵抗が少なくなり、前に進みやすくなります
体を水平に保つためのコツが、3つのポーズです。
モデルポーズ=両腕を伸ばす、体をそらす、顔を前に出すの3つポーズにはそれぞれ理由があります。
●両腕をのばす理由
人の肺は、空気がたくさん入っているので浮き袋のようになります。そのため腕を下げた状態では上半身が浮き、下半身がしずみやすくなります。そこで両腕を上にのばすと、バランスがとりやすくなり、体を水平に保ちやすくなります。
・体を反らす理由
腕をのばし、さらに体を反らすことで、体を水平に保ちやすくなります。・顔を前に出す理由
水の中で顔を上げてしまうと、体が起き上がり、下半身がしずんでしまいます。顔を前に出すイメージで、水の中で頭を下げると、下半身がしずみにくくなります。
じぶんが体感したことが論理的に説明されています。「両腕を伸ばす」「体を反らす」はまさに「けのび」。「顔を前に出す」も、コツ2のなかで解説しているのと同じことです。
②ゆらゆら足
実は①のモデルポーズだけでは、体脂肪が少ない、などの理由で 上手に浮けない(浮かない)人がいます。そんなとき、とても効果的なのがバタ足です。
初心者の場合は、バタ足は「前に進むため」よりも「浮くため」の効果が大きいのです。バシャバシャと水しぶきを大きくあげるのではなく、水の中で軽くける「静かに」「ゆらゆら」のバタ足がオススメです。
これは、意識したことがありませんでした。脂肪が多いせいでしょうか。
③体から水かき
腕だけ回そうとすると、水をかいた腕を前に戻すときにひじが上がらないので、ぎこちない動きになってしまいます。そこで、前にのばした手を、さらに前のほうに、少し体をひねりながら大きくのばします。
このように腕だけでなく、体ごと大きく回すようにすると、腕がスムーズに動くようになります。
息継ぎのポイント
ポイントは次の2つです
●鼻歌息つぎ
はきつぎ
息づきをしているのにどうしても苦しくなってしまう、、、それは、水中で息を十分はいていないから だと考えられます。
十分に息をはいていないと、肺は まるでふくらみ続ける風船のようになり、息を吸えなくなってしまいます。そこで、息を吸うために 水中でしっかり息をはきます。
これも、同じですね。
鼻歌息つぎ
息づきは、一定のリズムで行うと、苦しくなりにくくなります。
特に初心者には
①はいて ②はいて ③はいて ④吸う
の4拍子のリズムがオススメです。さらに、息をはくときは「鼻から息を出す」のが大切です。
特に、鼻がツ~ンと痛くなるのを防ぐためには、顔を上げて息を吸う直前まで(4拍子のときには3拍目と4拍目の間に)、鼻から息を長めに出すのがポイントです。
一定のリズムで鼻から息を出すためにオススメなのが鼻歌
例えば、チューリップの曲を鼻歌で歌いながら泳げば、自然に一定のリズムで息つぎができてしまいます。
鼻歌はちょっとしたアイデアですね。
というわけで、NHKもスポーツジムも基本は同じでした。
意識することはこの2つに集約されます。
・息を吸うたけに「吐く」を意識
クロールできるようになると、水泳の世界が変わります。
がんばって!