オトナたるもの、誰にも絶対教えたくない店の一つや二つ持っているものだ。かくいうわたし(@1102tv)も・・・ない!という中途半端なオトナだったのだが、最近できた!絶対教えたくない店がわたしにもできたのである。その理由とともに、こっそりお店を紹介していこう。内緒だぞ。絶対だぞ!
一見さんはたどり着けない隠れ家ランチ
お店の名前は「C」。ヒントが乏しいので「Cシュメ」としておこう。一度耳にしてもなかなか覚えられない店名だ。編集部からは徒歩圏内にある。
ヒントは新宿駅から5分、甲州街道、サミット、交番あたりで勘弁してほしい。何しろ「絶対教えたくない」のだから。
店名と店構えはエキゾチック。でも手書きメニューは食堂チック。甲州街道から見えるランチの目印はノボリだけ。通りがかりの客はほぼ訪れないだろう。今回はスタッフゆうきちも同行。昼12時すぎ、暖簾をくぐった。
落ち着く、のか?な不思議な空間
出迎えてくれたのは、年配の男性。仮に「じぃじ」と呼ばせてもらおう。四人掛けのボックス席に案内される。
じぃじ ここに荷物おいていいよ
座敷に荷物を置かせてもらう。ほかに客は誰もいない。
沈黙しばし。
ちょっと不安になる。この日のランチメニューはカレー定食、野菜定食、豚しょうが焼き定食、煮魚定食の4種類。迷った末、スタッフゆうきちはカレー定食。わたし(@1102tvみっちー)は煮魚定食を頼んだ。いずれもご飯少なめ。すると。
── えっ?
じぃじ あんまり食べるところないよ。
ゆうきち アラなら食べられるよね。
── ああ。ぜんぜん食べられます。いただきます。
じぃじ いやね、大丈夫ですといって食べない人がいるから聞くようにしてるのよ。
── そうなんですか。
じぃじ なんで食べないの?聞いたら(魚の)目がこっちを見てるからって。
── なんですかそれ(笑)
そういえば他の和食店でも「骨のない魚ください」と注文する客がいると言っていたっけ。
撮影の許可を得て少しだけ店内を雰囲気を撮影させていただく。
座った席からの1枚。
荷物を置いた座敷。エキゾチックな雰囲気だが、どこか和のテイストも漂う。聞けば、以前は小料理屋さんで一度店を畳んだがお昼のランチタイム限定で再開させたとのこと。
夜は家族が営む全くべつの業態。イベントスペースとして貸し出しているとのこと。なので、じぃじに会えるのは月曜日から金曜日までのランチタイム、3時間限定だ。
定食の小鉢
なぜかカレーも「定食」がついている。その理由がすぐにわかった。
きんぴらごぼう、せり、ひじきの煮物、高野豆腐、漬物、うど。小鉢が6品も!
じぃじ 残していいからね。食べておいて。
じぃじ うど。マヨネーズいる?
ゆうきち 味はついてるんですか、酢味噌とか。
じぃじ 作ろうか。
ゆうきち あ、いいですよ。マヨネーズで。
じぃじ すぐできるから。
じぃじ手づくりの酢味噌。シャキシャキしたウドに、合う〜。ここは実家かっ。
そして、メインメニューの煮魚が到着。ご飯と味噌汁と合わせて本日のランチぜんぶ。
煮魚定食800円。食べるところ少ないけど、と言っていた煮魚。
食べるところ、いっぱい。生姜を効かせて臭みがない。何より濃すぎない味付けがいい。汁をご飯にかけても、んまい。小料理屋だったころの実力を知ることができるメニューだ。
スタッフゆうきちのカレー。
もとい。
カレー定食。じゃがいもや人参が入ったルー。背伸びしない味つけで孫が大好物というのも頷ける。やっぱり実家かっ。
薄味と言っていたが、いい塩梅。ご飯少なめにしたが、お腹いっぱい。お代わりしたいものあったら出すよ、と言ってくれたが遠慮した。本当に実家で食べているよう。
お店を教えたくない理由
通常、店のランチタイムといえば回転勝負。だがここは、時間があるときに来て欲しいという。一人で切り盛りしているので料理が出てくるまで時間がかかるから。中にはイライラを表に出す客もいるそうだ。
なんということだろう。このようなお店に来て、マニュアル通りのチェーン店と同じ接客を期待する方が野暮というもの。最近、店の流儀に気を配らない客が増えている。これが教えたくない理由だ。もし(見つけて)訪れる機会があったら店に流れる時間を楽しんで欲しいと思う。
さいごに
ランチタイムなのに、ホッとして落ち着く心の泉。今度は小鉢をつまみにお酒を飲みに来てもいいですか?と聞いてみた。いい芋焼酎があるよ、と笑顔。晩酌をかかさないそうだ。食事の途中からは奥様も顔を出され世間話に付き合ってくれた。
ちょっと寝てく?
ランチタイムが終わる時間までなら座敷でごろ寝する人もいるらしい。
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もう実家でいいわ。
(日々つむ編集部)