「あそこのカレーは絶品だよ」。
前から噂には聞いていた。編集部の通り沿いにある「茶豆」、チャズというカレーの名店だ。ちなみに、今回初めて訪問するまで「チャマメ」と呼んでいたことは内緒にしておきたい。
営業は週にわずか3日。しかもランチタイムのみ。当然オープンすれば行列も当たり前になってしまう。食べて理由が分かった。カレーを食べ終えただけではカレーは終わらない。食後についているコーヒーを飲みほしてこそ完結する、喫茶店カレーの究極深化系だった。
営業は週9.5時間のみの幻カレー
まず言っておきたいのは、茶豆の営業時間。平日は火曜日と木曜日、11時30分から14時30分の3時間。日曜日は11時30分から15時までの3時間半。合計9.5時間しか開いていない。これが幻のカレーといわれる所以。
最寄り駅は笹塚。
グーグルマップだと4分で着く。初めての人でも7、8分で着くだろう。
(画像引用:googlemap)
茶豆方面から見た笹塚駅方面。
中央の高いビルが笹塚の新ランドマーク「フレンテ笹塚」だ。
コーヒー豆に包まれた喫茶店
13時すぎ店に到着。3人の先客が外で待っていた。
わかりにくいが、透明のショーケースには猫の置物が。10分ほどでカウンターに着席。見渡すと店内にもマレーシアやインドネシアなどのアジアっぽい猫の置物や装飾品が飾られていた。ふとスタジオジブリの映画(「耳をすませば」?「猫の恩返し」?)が浮かんだ。猫派?こっちは犬派だがなんだか心地いい。カウンター6席、4人掛けのボックス席が3卓。店内は広くはないが窮屈さを感じない。磨き上げられた木製のカウンターはコーヒー色をしている。テーブルも壁も同じ色だ。まるでコーヒー豆に包まれているよう。茶豆・・・店名の由来がなんとなく見えて気がする。両隣の人がコーヒーを飲みながら文庫本を読んでいる。スマホをいじっているのは自分を含めて二人だけ。なんだここは・・・流れている時間が違うじゃないか。
ポークカレー大辛
カウンター越しにメニューを渡される。カレーはチキン、ポーク(1000円)、キーマ(1100円)の3種類。辛さはマイルドと大辛まで4種類選べる。トッピングは農園生卵と農園ゆで卵、サラダもある。
悩んだ末「ポークカレー大辛、ライス少なめ。あとゆで卵トッピングで」にした。壁には、お好みで紅生姜サービスやライス一回までお代わりできる旨の張り紙が2枚。
満席のランチタイム、なのに喧騒が一切ない。スマホをいじっている場合じゃないぞ。
いじってしまった。
農園ゆで卵。
付け合わせは福神漬けではなく、キュウリの漬物とらっきょう。
そして、ポークカレー。まずは、ルーだけ一口。
お〜スパイスが効いてるぅ。汗腺が一気に開いたぞ。でも、辛いだけじゃない。しっかり甘味とコクも感じられる。
喫茶店カレーの良さを残しつつ、鮮烈なスパイスが全細胞を刺激してくる。
顔が熱い。
汗が噴き出してくる。
食べ終わると、滝のような汗を見た店主が話しかけてきた。
辛かったですか?
美味しかったです。すみません、汗はいつものことなんで・・・。
すると別の店員さんが・・・。
すっと、ティッシュをおいてくれた。
食後はコーヒー。ホットかアイスか聞かれる。このあと、まだカレーが食べ終わっていないことに気づくことになる。
コーヒーを飲み終えるまでがカレータイム
カレーの余韻に浸りつつ、アイスコーヒーをいただく。小さなチョコも付いている。
美味しい〜。喫茶店の本格的なやつじゃないか。飲んでいくうち、火照った体がクールダウンしていく。なるほど。カレーはこのコーヒーを飲んで完結するのだ。計算し尽くされている。
これぞ、喫茶店カレーが深化した究極のカタチではないか。
まとめ
この店が何より心地いいもう一つのポイントは接客にある。ゆったりとした時間が流れているのも静謐な世界もお店の人たちが作りあげていったもの。ここは文庫本が似合う喫茶店カレーの名店。スマホをいじるのは店の雰囲気を邪魔していると感じた。ぜひ文庫本片手に訪れて、茶豆ワールドの一員になってほしい。
ごちそうさまでした!
・おじゃましたお店
住所 渋谷区笹塚1-44-4
営業時間火・木11:30 ~ 14:30 日11:30~15:00
定休日 月水金土祝日
TEL 03-3465-6875
(日々つむ編集部)