人間関係ってなんで難しいんですか。家族や同僚、クラスメート、ママ友、ご近所さん、子ども、そしてワン友・・・人と接するのが面倒で何もかも投げ出して一人になりたいと何度思ったことか。
にんげんだもの。(みつを)
というわけで、NHK「あさイチ」でアドラー心理学を紹介していました。本屋さんでよく見かけていましたが、どういう内容かまで知りませんでした。初めて触れてみて、わかったようなわからないような・・・。人付き合いがうまくいっていない人や子育てにも使える、とのことで興味を持つ人が増えているようです。
アドラーの教えとは何か?ざっくりいうと、自分に正直に生きなさい、ということです。
嫌われる勇気を持ちなさい、本音をちゃんと言いなさい、自分に正直に生きなさいがアドラー流。
人間関係に悩んでいる人、アドラー流だとすぐにできることがあります。やらないよりやってみる。その価値はあると感じましたよ。
アドラーの教え6つ
番組で紹介していた教えは6つ。
・2.涙には目的がある
・3.褒めない子は育つ
・4.性格は変えられる
・5.自分で選んだ不幸
・6.劣等感が生む幸せ
「嫌われても平気」はなんとなくわかります。ホリエモン・堀江貴文さんがアドラー流の体現者として登場していました。平気そうですもんね、嫌われても。その生き方がアドラー流とほとんど同じらしいんです。じゃあマネしたくないな、と一瞬思いましたがそれはまた別の話。一つの例がざっくりこちら。
ホリエモン
・ホテルのロビーで男性に声をかけられたけどそのままスルー
・対応したらくだらない会話をしなきゃいけない。10分がムダ。
・他人のためだけに生きてるわけじゃない。
(引用:あさイチ)
これが「嫌われても平気」。アドラー的には「課題の分離」というそうです。他人の要求に無理して付き合う必要はないんです。
番組ではママ友のランチも無理して付き合う必要はなく行きたくなければ断ればいいとアドバイスしてました。
・・・できませんよね。
MCの井ノ原快彦さんもホリエモンと一緒にしちゃいけないと噛みついていました。(ホリエモンは嫌われても平気云々以前に)無視だから、と。ママ友のお誘い、断るにしろ無視なんてできないし子供のことを考えたら嫌われても平気なんて思えない、と。確かにそうです。ただ、できない・・・と思った人ほど効果はあるそうですよ。断るときは相手に対して誠意を持って接することがコツです。その上で断りたければ断ればいい。「誘いを断る」だけで嫌われたなら仕方がありません。人格を傷つけたわけでもないし、悪いことは何もしていないんですから。
ホリエモンのような無視はNG。それは神経が図太く面の皮が厚い人限定でしょう。「いま時間がないんで」とか一言でもあれば違ってくるはずです。
失敗にとらわれない
アドラーの教えに「過去の失敗をトラウマにしない」というのがあります。
ホリエモン曰く・・・
・小学校でウンチを漏らしたことを恥ずかしいとずっと気にしていた
・でも今は公然とネタにしている
・他人のことなんて誰も覚えてない
・覚えていたとしてもその人を評価する中で重要な意味を持たない
これは使えますね。過去にとらわれて生きることで行動が制限されます。大きな失恋をしたからもう恋ができない?できますよね。トラウマにしない、というのは失敗を生かすという意味もあると思います。忘れる、ということではありません。失敗も経験値ということです。
褒めない子は育つ
アドラー流の子育て「褒めない子は育つ」。はて、違和感ありまくりです。いいことをしたら褒める、悪いことをしたら叱る。これ子育ての基本でしょう。なんと「叱らない」も入ります。褒めない、叱らない子は育つ、です。こういうことです。
・褒めるという行為は「評価」。上から目線で縦の関係。だから思春期になると反抗される
・アドラー流は「横(対等)の関係」 勇気づけを行うことが大事。
勇気づけ?よくわかりません。
・勇気づけ→横の関係
何が違うんでしょう。迷ったら、それ夫(大人)に言うかな?と考えることです。たとえば、後片付けをして「えらいね」と子供には言いますが夫には言いませんよね(一般論です)。夫には「後片付けしてくれたんだ。助かった。スッキリして気持ちいいね」くらいのことは言います。子供にも同じように言えばいいということです。これが「勇気づけ」。相手の気持ちに寄り添い励ますということです。「えらいね」だと、褒められるために後片付けをします。つまり、自分のためではなく相手のために後片付けをしていることになるのです。もし片付けなければと叱られます。子供はそれがわかっているのでイヤイヤ片付けることになります。
「勇気づけ」の言葉のかけ方は片付ける目的がはっきりします。スッキリして気持ちが良くなったり歩くときに邪魔じゃなかったり、物がすぐに見つかったり。これは子供だけでなく自分にも当てはまります。なぜこれをやるんだろうと自分に問いかけるクセをつけると目的がはっきりしてやることとやらないことを仕分けることができるようになります。
メモ「イヤイヤやってることは自分に問いかければ減らせる」
・子供が言うことを聞いてくれない!
・姑がうざい!
・夫が話を聞いてくれない!
悩みや不満は感情であり目的です。聞いてほしいという目的があるから悩んでます。では夫はなぜ話を聞いてくれないのか?
ここで褒めない叱らない夫は育つ作戦ですよ。
話を聞いてくれる時間は夫は仕事のことを考えたいのかもしれません。夫主体で考えると邪魔をしていることになります。「話を聞いてくれてありがとう。少し気持ちが楽になった」といえば夫は役に立ったと感じてくれるでしょう。夫はサンドバッグではないんです。自分の感情や価値観だけをぶつけていては永遠に「イヤイヤ」が繰り返されるだけです。後片付けがイヤな子供は片付けられない大人になるだけです。と、アドラーの教えを自分なりに解釈してみました。片付けられない大人=褒める子は育たない、ですよ。
怒る回数を減らす方法
とはいえ、ついつい声を荒らげて叱ってしまいがちですよね。叱る、というのは先ほど学んだように「評価」ですから縦の関係です。自分の価値観をぶつけて、思い通りに動いてくれるよう強要しているわけです。しかりそうになった時、どうすればいいのか。
イライラから抜け出すための「合図」を決めておくといいらしいです。番組で取材した主婦は3歳の娘に怒鳴りそうになった時の合図をこう決めていました。
・合図2写真を見つめる
・合図3深呼吸
1ヶ月半続けてみて、合図3の深呼吸がいちばん使い効果もあったと思えたそうです。どこでもできますからね。大事なのは「合図」で自分の気分が変わった、と思い込むこと。イライラに任せて叱る回数が減っていくそうです。
要は意識のモンダイ。
感情は目的であり、こうしてほしいという強いメッセージを伴います。教えその2「涙には目的がある」ですね。怒ってしまっても怒る背景にある意味に気づかせること。「心配」や「焦り」「不安」といった自分の気持ちを具体的に伝えることで対等な関係からの「勇気づけ」につながっていきます。自分なら・・・?1両腕を上げて伸びをする2歯を磨く3看板犬の写真を見るですかね。
相手の本心を見抜くポイント「顔」
相手の表情やしぐさから本心を見抜けるそうです。例えば、笑っている時の相手の顔。
本心を隠しているのは?
・左右で表情が異なっている
・上を向いて爆笑している
正解は左右で表情が異なっている。面白くもないので笑っていることが多いそうです。ホンマかいな。
相手の本心を見抜くポイント「手」
本音を隠している時に見せるしぐさ。「手」でもわかるそうです。
本心を隠しているのは?
・指を合わせて三角形を作っている 自信がある証拠
・鼻をこすって笑顔
正解は鼻をこすって笑顔を見せている人。「自己タッチ」といって自分のどこかを触るのは焦りや不安を解消しようとする行動、だそうです。手のひらを見せているのはリラックしている、指を合わせて三角形を作っているのは自信がある証拠だということです。
相手の本心を見抜くポイント「足」
足でも本心が分かるそうですよ。
もう帰りたいと思ってるのは?
・足を開いている人
・足を揃えている人
答えは足を揃えている人。つま先が玄関を向いている=帰りたい、だそうです。足って関心のある方向に向いちゃうんですって。
オススメの相づち
相づちは「あいうえお」で覚えましょう。
・いいですね
・うん(運)がいい
・えん(縁)がありますね
・おん(恩)にきます
「ありがたい」は感謝の気持ち。「いいですね」は相手と同じ気持ち。「うん(運)がいいね」はモッてるね。「えん(縁)がありますね」は長いおつきあいをしましょう。「おん(恩)にきます」は鶴の恩返し的な感情を伝えることができます。これで人付き合いがよくなるなら何百回でも言いますよ。身内や同僚にも使えますよ。密かに試してみました。
疲れるわ!
相手との距離を縮めるワザ「ミラーリング」
仲良くなれるんじゃないか、と相手に思わせることができるテクニックを紹介します。
それは相手を「マネ」すること。例えば、カフェでの2ショット。
・コーヒーを飲む→飲む。
・おしぼりをふく→ふく。
・ケーキを切る→切る。
これで距離を縮めることができるそうです。ただし、マネしてると思われては逆効果。
・時間差をつけてマネをする(1分後までOK)
・相手がマネをされて嫌なことをしない
仲のいい人の行動を観察していると、無意識に同じように行動している人が多いことがわかったそうです。これを意識的にやることで仲良くなれるんじゃないか、と相手に思わせることができるそうです。会話のキーワードを繰り返すのもアリ。例えばメニューを見ている二人。
・(自分)あ、カルボナーラいいよね。
同じものを食べたい気分ですよ。ママ友会でも使えます。
「ハンバーグにしようかな」の後は、「じゃあわたしはAセット」ではなく「美味しそうだよねえハンバーグ」と他のメニューを注文するにしろ一度気持ちに寄り添っておく。それだけで距離が縮まるのです。これで仲良くなれるとは限りませんが話をちゃんと聞いてもらえる気持ちよさが相手に伝わることは間違いありません。
まとめ
アドラーの教えで「褒めない」が一番驚きました。自分は褒めて伸びる子だと言い続けてきました。本当に伸びる子を育てるためには「褒める」のはなく「叱る」ことでもなく、相手と同じ目線になって話をしっかり聞いて気持ちに寄り添うこと。
・「あなたはやればできる子」
→「今回は残念だったね。できることがあったらいつでも手伝うからね」
まだ「褒める」「叱る」と「勇気づけ」の境界線が曖昧です。あと、もう褒めない!というのも絶対違いますよね。アドラーは学問として解いているのであって褒めたかったから褒めていいんですよ。ムツゴロウさんのように「よ〜しよしよし」と撫で回せばいいんですよ。そのへん、ちゃんと理解しないと危険です。中途半端な理解で向き合ってはいけないと感じました。
ただ、アドラーの考え方は会社や学校、夫婦の関係などいろんな人付き合いで応用できますよね。一度自分のものにしてしまえばあらゆる局面で使えそうです。相手に良かれと思って投げた言葉でも傷つけていることがあります。
人付き合いが上手くいっていない方、子育てに悩んでいる方、犬友との付き合いが鬱陶しいと悩んでる方、前向きになれるきっかけになれば幸いです。
(日々つむ編集部)