世界を席巻しつつあるポケモンGO。その原点といえる動画があまりにもすごかったので紹介したい。何がすごいかというと、クォリティーの高さと世界観がすでに出来上がっていること。この世界観を大勢の人がスタートアップの段階から共有できたからこそ、いまがあるんだとシビれてしまった。
ポケモンGO(Pokémon GO)のプロジェクトが始まるきっかけが生まれたのは2年前の2014年4月1日。そう、エイプリルフールに公開された1本の動画がすべてのはじまりだった。
その名も「ポケモンチャレンジ」。
現実の世界とGoogleマップが連動、マップ上に出現するポケモンを探し出し捕まえていく内容だ。もちろんエイプリルフールに合わせた設定なのだが、どこかで聞いたことがあるような・・・。
△冒頭、グーグルロゴが出てくる。
△インディジョーンズばりの男が急峻な岩肌を登っていく。
と、突然その動きを止め息を潜めた。その視線の先には?
△なんかいた!スマホをかざす画面の中心、岩陰に潜んでるのは・・・ポケモン!
△偽インディ、何かを投げつける!
△Gotcha!(やったー!)
△偽インディが手にしたのは「POKEMON MASTER」の称号。
△ROLE(業務内容)
△デジタル世界の優れた冒険者としても経験と・・・(なぜか北海道)
△情熱を活かし、グーグルマップを新たな境地に導くこと
△グーグルマップ担当副社長ブライアン・マクレンドン
△ブライアン「最高の人材を揃えることは、グーグルにとって至上命題だ。グーグルマップのテクノロジーを使って人類史上最難関のポケモンマスター採用試験を用意した」
△(グーグルマップポケモンチャレンジ!)
△グーグルマップを頼りに世界中をくまなく巡り・・・
△野生のポケモンすべてをゲットせよ!
△山、砂漠、海、森、湖、屋内、街角・・Googleマップにのったところからどこにでも生息しているポケモン。
△ブライアン「すべてのポケモンを集めた挑戦者はグーグル本社で最終選考に参加してもらう」
△ブライアン「すべてを勝ち抜いた勝者は9月1日から勤務開始だ
さあ、エントリーを待っている!」
△グーグルマップの検索から「ゲームをはじめる」をタップ。
ポケモンを集める冒険がはじまる
△(締め切り4月2日19時)
△まだ見ぬ世界へ 冒険にでかけよう
△ポケモンチャレンジは過剰な興奮や達成感をもたらす場合があります。自動車等の運転中の使用は危険ですのでお控えください。
この時点でゲームの先にあるリスクを予測していることに驚かされる。原点どころか原型ができていたことになる。エイプリルフールのポケモンマスター採用試験。
これが原点にして原型!2014年4月1日2分33秒の伝説動画である。
こうしてポケモンGOははじまった
この動画を目にとめたのが、イングレスを生み出した内ナイアンティッックCEOのジョン・ハンケ氏。その経緯はこちらに詳しい。
ナイアンティックは当時、まだグーグル社内のスタートアップで)「ポケモンチャレンジ」が一足先に社内で公開されたら、ジョン・ハンケが「これをIngressのプラットフォームでできないか」と言うんです。彼の子供はポケモンで育った世代ということもあって、愛着もあったのでしょう。なんとかならないか、という相談が僕のところにきました。僕としても非常に面白いなと思ったんですよね。Ingressとの相性もさることながら、当時のプロモーションビデオがよくできていて、砂漠ではその場所にあわせたポケモンが見つかる。このコンセプトは実現できるんじゃないかと思ったのです。
(出典:ケータイウォッチ)
ちなみに情報1動画を作ったのは日本人
動画は日本人が制作に関わっているとのこと。
当時、グーグル米国本社で勤務していたエンジニアの野村(達雄氏、ナイアンティック2人目の日本人)がポケモンチャレンジを作ったのですが、相談しにいって、その結果、ポケモン社の石原(恒和)社長にお会いできた。
(出典:ケータイウォッチ)
そういえば、VTR中には北海道や九州の地図が登場していた。野村氏のこだわりがあったのかもしれない。
ちなみに情報2本当に名刺が送られてきた
ちなみに、エイプリルフールの企画だった動画、実は1日限りのお遊びではなく実際にグーグルマップ上にポケモンが登場し実際に捕まえることができた。そして151のポケモンをコンプリートした人には動画にも登場した名刺を送られてきたらしい。記事はこちら。
このユーモア。遊び心を忘れてはいけないということを改めて教えてくれる。
遊び心に熱中するだけで世界は変えられるのだ。
(日々つむ編集部)