もし北朝鮮の弾道ミサイルがわが町に飛んでくると知ったら?そのとき愛犬と散歩中のあなたはどのような行動を取れば命を救うことができるのだろうか。日々つむ編集部の住所は東京渋谷区。ミサイルが飛んでくる!と分かってから落下するまでに許された思考時間、最大4分(独自調べ)。秒に換算なら240秒。限られた時間のなかで、どうすればサバイバルできるのか。
北朝鮮情勢をめぐる不安が増大するなか、政府は弾道ミサイル攻撃を受けたときの避難方法を内閣官房のホームページに掲載した。
内閣官房の避難方法や身を守る方法を参考に、愛犬とサバイバルするための行動をシミュレーションしてみよう。
北朝鮮がミサイル発射してアラート音が鳴り響いてからの愛犬と取るべき避難行動や身を守る方法をシミュレーションしてみた
弾道ミサイルが落下してきたときの行動
【もしもの時への備え】もし、弾道ミサイルが落下する可能性がある場合にとるべき行動を、パンフレットにまとめました。もしもの時の避難方法を十分に確認しておきましょう。国民保護ポータルサイト「武力攻撃やテロなどから身を守るために」はこちら。https://t.co/tBXCuV6Yjw pic.twitter.com/77qoY1nOL9
— 首相官邸(災害・危機管理情報) (@Kantei_Saigai) 2017年4月21日
愛犬と散歩中に北朝鮮がミサイルを発射したことを知る手段は、Jアラートを活用した緊急速報メール。スマホなどの携帯電話を所持しておくことが必須となる。例として、紹介されているメールがこちら。
こんなメールが届いて血の気が引かないヒトを尊敬したい。ただ、血の気は引いてもパニックにはならないように。
Jアラート音
ミサイルが発射された場合の実際の警告音と放送例が紹介されている。
△聞かなきゃよかった、と思うほどぞっとする音。
△弾道ミサイルの警告音は5分30秒から聞くことができる。
沖縄上空をミサイルが通過したときのJアラートのメールがこちら。
「北朝鮮からミサイルが発射された模様」
職場のJアラート受信端末の画面。 pic.twitter.com/AwG7PAECLh— 災害担当記者のつぶやき (@antidisaster) 2016年2月7日
△発射は9時31分、3分後の34分にメールを受信したとの記録が画像から見て取れる。
ミサイルはどれくらいで日本に着くの?
そもそも何分くらいで日本に飛んでくるのか?国民保護ポータルサイトのQ&Aによると・・・
北朝鮮から弾道ミサイルが発射され、日本に飛来する場合、極めて短時
間で日本に飛来することが予想されます。 例えば、平成28年2月7日に北朝鮮西岸の東倉里(トンチャンリ)付
近から発射された弾道ミサイルは、約10分後に、発射場所から 約1,600km離れた沖縄県先島諸島上空を通過しています。
なお、弾道ミサイルの種類や発射の方法、発射場所などにより日本へ飛 来するまでの時間は異なります。
10分で1600キロ。1分160キロペースとなる。沖縄より東京のほうが遠いので15分くらいだろうか。
北朝鮮の発射地「東倉里」から東京までの直線距離を調べてみると?
沖縄より近(ちか)!
約1400キロということは、8から9分で東京に落下することになる。Jアラートは発射から3分後。つまり、愛犬家が取るべき避難行動に与えられた時間は4、5分。いや、愛犬の散歩中だからすぐに気づいてもお散歩バッグやポケットからスマホを取り出す手間、メールを閲覧するまでの動作を換算すれば3、4分だろうか。すなわち生きるためのタイムリミットである。
諦めた方がいい気がしてきた。何をしたって、なるようにしかならない。いや、待てよ。ちょ、待てよ。そばには家族の愛犬がいる。ベストを尽くそうではないか。
3、4分のタイムリミットで落ち着いて取るべき行動がこちら。
屋外にいる場合
できる限り頑丈な建物や地下街などに避難する
近くにミサイル落下!
口と鼻をハンカチで覆い、現場からただちに離れ、密閉性の高い屋内または風上へと避難する。
建物がない場合
物陰に身を隠すか、地面に伏せて頭部を守る。
屋内にいる場合
窓から離れるか、窓のない部屋に移動する。
近くにミサイル落下!
換気扇を止め、窓を閉め、目張りをして室内を密閉する。
この情報をもとに、愛犬と取るべき行動をシミュレーションしてみよう。
愛犬と屋外にいる場合
その理由についてこう説明している。
ペットNGの施設でも、緊急メールが届いたら一刻を争う。抱きかかえて一目散に逃げ込もう。パニックにならないために、日頃のお散歩コースで頑丈な建物はどこか、チェックしておくこと。犬編集長のお散歩コースなら「駅ビル」「幼稚園」「工場」「複合商業施設」などがある。
お散歩バッグに風呂敷1枚入れておくのもアリ。
100エコノミーショップの風呂敷で買い物包みの作り方。慣れれば所要時間30秒で出来ます。丈夫で避難生活やマイバッグを忘れた時にも役立ちます。 https://t.co/r9hdKCOUjh
— 日々を紡ぐてれび (@1102tv) 2016年4月20日
△エコバックと同じくらいのサイズになり、愛犬を包んで持ち運ぶことができる
すぐほどけるのに頑丈!100円ショップの風呂敷で買い物包みの作り方
近くにミサイル落下!
これは落下したあとの行動。上空のミサイルがどんどん迫ってきてもう逃げられない!となった場合は逃げるのをやめて、愛犬を覆うように身を潜める。瓦礫が降ってくることもあるので頭部はしっかり守ろう。そのあと、飼い主は口を鼻を覆い、愛犬は服などで囲うようにして安全な場所へ避難する。
高速道路など車外から出るのが危険な場合はこちら。
愛犬といて建物がない場合
頭部を守ることは避難の生命線となる。考えるチカラがあれば、声を出して助けを呼ぶこともできる。
お散歩コースが公園という方も多いだろう。樹木やトイレしかなく爆風の影響を受けやすい。くぼみでもいいので愛犬を抱えて身を潜めることが鉄則となる。
屋内にいる場合
ただし、木造家屋の場合は行動手順が異なる。
4分のあいだに屋外へ飛び出して頑丈な建物へ逃げ込むことを推奨している。窓から離れるのは爆風で窓ガラスの破片が飛んでくることを危惧したものだろう。窓云々より、あらかじめ屋内でいちばん安全な場所はどこか決めておく。そこにヒトはもちろん愛犬用の食料や防災グッズを置けば生き延びることができる。木造住宅の場合も、屋内屋外にかかわらず避難場所を決めておけばパニックにならずに済む。
犬編集長と編集部員は話し合いの結果、外に逃げないことを選んだ。避難場所は洗面所。窓がなく、四方の外壁から最も遠い。安全な場所と判断したからだ。
このようにどこに避難するか、あらかじめ決めておこう。
近くにミサイル落下!
△ミサイルには、核やサリンが含まれている可能性を想定したもの。もしサリンなら一刻を争う。ガムテープなどで目張りをして外気を遮断しよう。
車に乗っている場合は着弾後、車外に出たほうがいいらしい。
△現場の状況や爆心地との距離にもよるのではないか。周囲に何もない場合、車内にいたほうが爆風を防いでくれる場合はないだろうか。とくに、愛犬と一緒にいる場合はシートの下に伏せて頭部を守ったほうが安全な気もする。
そのためには、正確かつ迅速な情報収集が必須となる。
そもそも「国民保護ポータルサイト」とは?
政府が北朝鮮のミサイルをめぐり、避難方法を公開したのは2017年4月21日のこと。
政府は21日、北朝鮮をめぐる情勢の緊迫化を受け、弾道ミサイルが国内に落下する可能性がある場合の身の守り方について、インターネットの「国民保護ポータルサイト」に掲載し、国民に周知を呼びかけた。併せて都道府県向けの説明会を都内で開催。弾道ミサイルの陸上着弾まで想定した訓練の検討を求めるなど、これまでより踏み込んだ対応を都道府県に促した。
サイトへのアクセス数は3月に約45万件と月間の過去最多を記録したが、4月は18日現在で約260万件に達しており、国民の関心が急速に高まっていることがうかがえる。これを受け、これまでも掲載していたミサイル飛来時の対処方法について、より見やすくした。
基本的な行動として屋内退避を求め、屋内では爆風で割れたガラスを避けるため窓から離れるよう呼びかけている。さらに、Q&Aでは、自動車の場合は停車して屋内退避▽高速道路など車外が危険なら停車して姿勢を低くする▽近くに着弾したら口と鼻をハンカチで覆い、密閉性の高い屋内や風上に避難-といった行動をとるよう促した。
(出典:産経新聞)
今月(2017年4月)は1週間で100万アクセスのペースで閲覧されていることになる。
掲載されているのは「国民保護ポータルサイト」。
国民保護法に基づいたサイトでテロなどの有事における様々な対処法が掲載されている。
△国民保護法の一部。
核シェルターが売れている
テレビでも万が一に備えた様々な特集が組まれている。
フジテレビ系「バイキング」(月~金曜・前11時55分)が18日の放送で緊張する朝鮮半島情勢を取り上げた。番組では「万が一の時のときにどうすればいい?」とのテーマで「核シェルター」「防毒マスク」特集を組んだ。
番組ではシェルター自体の価格として約300万円程度のものを紹介したほか、防毒マスクが数万円で購入できることを紹介し、北朝鮮によるミサイル発射後に問い合わせが殺到していることを伝えた。
(出典:スポーツ報知)
フジテレビのバイキングでは核シェルターや防毒マスクを紹介。
ちなみに、今やなんでも揃うAmazonで核シェルターが売られているのか調べてみると?
核シェルターではなく、防災シェルターのみ。
防毒マスクは・・・
まとめ
世界にはテロリズムがあふれ、残念ながら「まさか」の出来事が現実に起きてしまう時代になっている。それは日本でも例外ではない。北朝鮮のミサイルが発射された!というメールが届いたあとの避難場所をあらかじめ決めておくだけでもパニックになる確率を減らし冷静な判断ができるはずだ。
愛犬と生き延びるためのタイムリミット、最大で4分。
240秒が長いか短いかは、事前の準備次第となる。
(日々つむ編集部)