熊本市の獣医・徳田竜之介さんが、西日本新聞でペットにまつわるエッセイを連載しています。徳田さんといえば、熊本地震のときに自らの病院を避難所にしてペットとその家族にスペースを提供するなど愛犬家のために奔走した方ですね。関連記事はこちら。
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情熱大陸に出演
情熱大陸で知った方も多いかもしれません。
最大震度7、死者50人の犠牲を出した今年4月の熊本地震。一時は県内の18万3882人が避難所に身を寄せることとなったが、ペットを飼う人たちは避難所内に動物を同伴出来ず車中泊を余儀なくされるケースも多かった。
環境省のガイドラインでは災害発生時にペットの同行避難を推奨しているものの、やはり様々な人が集まる避難所では動物が嫌いな人もいれば、衛生面を心配する声もあるだろう。ペット連れでの避難は難しいというのが現実だ。
そんな中、“ペットは家族”と考える飼い主たちのために自身の病院を「同伴避難所」として開放したのが熊本市の徳田竜之介獣医師だ。傍らでは次々と運び込まれる被災動物の治療を続けながら、一時は4階建て全フロアを開放。約3週間で犬や猫、ウサギ、フェレットなどの動物と飼い主のべ約1500組が避難した。
なぜそれだけ大規模な受け入れが出来たのか?実は徳田は東日本大震災を機に自身の病院を耐震性にし自家発電機や貯水タンク、災害用無線なども備えた。「過剰投資だ」と周囲は冷ややかだったが、そのお蔭で今回多くの家族が安心して避難生活を過ごせた。
現在、国内の犬猫飼育頭数は約2061万頭で、15歳未満の子どもの人口1649万人を遥かに超えている(2013年調査)。多くの人がペットに心を支えられているという現実があるからこそ徳田は被災地でペットと一緒に住める避難所や仮設住宅が実現するよう行政に働きかけている。「ペットは社会の一員」と考える徳田だが、果たして彼が望む環境は実現するのだろうか。被災地で、寝る間も惜しんで東奔西走する獣医師の姿を追った。
(出典:MBS「情熱大陸」)
徳田先生プロフィール
1961年鹿児島県生まれ。医師である父の影響で、幼少の頃から動物医療に携わる獣医師を目指す。麻布大学卒業後、首都圏の動物病院で6年間修行し1994年熊本市に「竜之介動物病院」を開業。当初は新聞配達でスタッフの給料の不足をまかないながら不眠不休で働いたとか。2004年には動物学校開校。趣味はドライブとアマチュア無線で、熊本のテレビやラジオに度々登場するため地元では有名な54歳。
そんな徳田さんが西日本新聞に掲載されたエッセイがこちら。
犬の寿命は人間よりも短い。だからこそ、最期の1日を嘆くのではなく一緒に過ごした1日1日が大切というはなし。なかでもこのくだりは考えさせられました。
犬や猫の寿命はせいぜい15年。ペットの1日は人間の5~6日に相当します。「今日は散歩に行かなくていいや」という1日があると、ペットにとっては1週間近くも閉じこもっていたのと同じ感覚です。飼い主が1~2カ月間手を抜くと、ペットは半年から1年ほったらかされたのと同じ。
一日一日を大切に、楽しい毎日を送ることができれば、ペットの生涯は「悔いのない生涯だった」といえるでしょう。問題なのは生きた時間の長さではなく、中身なのです。
1週間近く家に閉じこもることと同じ感覚・・・。もし1週間、人間が一歩も外に出られなかったとしたらストレスは相当なものです。自分なら気持ちがイライラして心が病みそう。
まとめ
犬の一生は人間より短いです。それはわかっていても人間の生活を優先させ、犬はその生活のリズムに合わせてくれます。
ペットの一生は駆け足で過ぎていきます。その貴重な日々を、どうか最期の瞬間に悔やまないよう、命を慈しみ、その存在に感謝しながら、大切に過ごしてほしい。あなたのペットは毎日、幸せな顔をしていますか?
徳田先生の言葉を胸に刻みたいと思います。
△お散歩のあと、仕事中の飼い主の膝の上でくつろぐトイプードル。
(日々つむ編集部)
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