「おーい!寿司あるぞ」
夜中1階から父が呼ぶ声。熟睡していたはずなのに2階の部屋から全力ダッシュ。お目当てはお土産の寿司折。いつも一折でした。だからいつも姉とジャンケン勝負。一喜一憂したのをいまでも覚えています。とくにウニをめぐる争いは熾烈。負けたときの悔しさといったらもう・・・。それも40年前のハナシ。お寿司折はいつだって特別なお土産でした。そんなことを思いださせてくれる番組がありました。
それは日本テレビ土曜日朝の人気情報番組「ズームイン!サタデー」。家族のルール特集でVTRを観ていたMCの辻岡義堂アナがこうコメントしたんです。
「お寿司は、キッチンバサミで一貫を半分に切って食べてました」
なるほどっ
たしかに半分に切れば平等だしぜんぶの種類を食べられるのでケンカになることもありません。賢いぞ、ギドー一家。真似したら平和になるのか。1人前だけ買ってたしかめてみることにしました。
特上寿司で試してみた
本来であれば回転しないお寿司屋さんの紙で包まれた寿司をブラブラさせながら持ち帰りたいところでしたがあいにく午後4時ころ。デパ地下のお寿司にしました。
奮発して特上寿司1人前2150円也。
左上から時計まわりに
中トロ、本マグロ赤み、白身、海老、数の子、いか、かに、いくら、うに、ほたて。
いつもならジャンケンして順番にチョイスしていくところです。
ちなみに、好きなネタは・・・
1位うに
2位いくら
3位ホタテ
今回は半分にするのでぜんぶ食べられます。
うまくいけば定番の作業となっていくことでしょう。
ワクワクしてきました。
用意するのは、キッチンばさみ。
まずは白身から。
かんぱち?
こうなりました。
わりとうまくいきました。
次は、きっと切りやすいホタテ、いきます。
この調子で一気に切っちゃいましょう。
赤身。
いか。
ノリもなんとか等分に切れました。
数の子。
ちょっとだけ失敗。
ま、想定の範囲内です。
海老。
迷いましたね。
尻尾がついてるので、どう切っても不公平感がでてしまう。
いっそタテに切ろうかともおもったんですが・・・
中トロ。
海老をタテに切らなかった理由です。
ちょっとした惨事になってしまいました。
中トロというネームバリューもあり
等しく切ろうと神経質になった結果です
タテはどんなネタでもやめたほうがよさそうです。
さあ、いよいよトップ2。
ウニといくらの出番です。
どう切ればいいのか・・・
一度いくらの粒を取り出すことにしました。
ぜんぶじゃありません。
端は影響しないので残してもOK。
この状態で半分に切りました。
こうなりました。
いくらの数的には平等です。
数えましたから。
最後に、王様うにです。
いくらパターンでいこうとも考えましたが
ここは思いきって大胆に。
これで準備完了!
それではごらんください。
これが夫婦や兄弟、親子がケンカをすることなく、ぜったい仲良く食べられる折詰のお寿司です!
どうでしょう。
結論からいわせてください。
寿司を半分に切って仲良く食べる・・・
オススメしません!
まずもって、ビジュアルがきたない。
半貫なので食った気がしない。
そして、なによりカッサカサになる。
ネタがすぐ乾いちゃってぜんぜん美味しくありません。
とくに、いくら。
ごめんよ、と謝ったくらい不味い。
あのころが懐かしい。
半貫ではものたりなかったので
こんなのも試しましたよ。
エビカニ合戦。
皿の上で甲殻類が出会ったあ(by下條アトム)
夢の2トップ合体バージョン。
いくらが・・・
というわけで、結果は哀しいものになってしまいました。
写真を撮った手間の分、乾いてしまったせいもあるかもしれまん。
ただ、もう一度やろうといわれてもやりません。
やるくらいなら、うに譲って2番手のいくらを1貫食べます。
そのほうが絶対に美味しいから。
これは試食をしたスタッフゆうきちも同意。
寿司は、一貫の芸術なんだなと改めて思い知らされました。
あと、確かにモメはしませんが、
じゃんけんで盛り上がらないのはつまんないです。
さいごに
なぜ父親はきょうだいの数だけ買ってきてくれなかったのか。それは一人一折だと夜中に食べる量としては多すぎるから。ちょっとつまめるくらいがちょうどいい、と今なら分かります。どう分けて食べるのか見ているのも楽しかったんだとおもいます。きょうだいの関係性もわかり、おおげさにいえば社会性も身に付きます。
イマドキのお父さんも一度お土産に持ち帰ってみては?
起きてこなかったりして!
(日々つむ編集部みっちー)