糖質制限をしているのに痩せない、血糖値が高い、と悩んでいる人いませんか? 安心してください、同じ悩みを抱えてる人が少なくとももう一人。
はい✋
記事を書いているワタクシです(@1102tvみっちー)。
痩せるといわれる糖質制限を実践しているのに、長らく停滞期が続き、最近は空腹時の血糖値がずっと高い状態に悩みを深めています。糖質を控えた食事で血糖値の上昇を抑えて糖尿病の進行を遅らせるのと、ダイエットの一石二鳥を目指す目論見はどこへ・・・。
△2016年クリスマスの翌日、食後の数値です(食後の正常値は140以内)。
血糖のコントロールがうまくいっていません。
ちなみに、年に1度の健康診断、空腹時血糖とヘモグロビンHAa1cの値がこちら。
△168(109以下が正常)と7.5(血糖値の平均。6.1以下が正常)。
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△笑顔で問診していたお医者さんが真顔になるレベル。168も7.5もやばいです。年に1度の哀しい便りが届きました。ここ数年、あと少しで正常の範囲内まで下がっていたのに、ぶり返しています。
血糖値は、炭水化物を食べると上がる。
そう信じて、大好きな炭水化物を極力減らしてきました。ご飯やパンラーメンそばうどんパスタなどの麺類、ビールに日本酒など醸造系の酒類、甘〜い果物やスイーツ・・・いずれも好物なものを、食べたり飲んだりしても一口程度で止めておくように我慢してきたんです。食べなければ、血糖値は物理的に上がらないから、と信じて(2回目)。
そんな糖質制限をしていても下がらなくなってしまった血糖値、なぜなのか?一体カラダに何が起きているのか。このまま血糖値が高い状態が続くと何が起こるのか。
実践している糖質制限の方法が間違っているかもしれません。
考えてみると、根拠は「誰かが言ってたから」ダケ。なんちゃって糖質制限なのに、血糖値を完全にコントロールしている気になっていたかもしれません。
そもそも・・・
炭水化物を食べると血糖値が上がる。
△これってどういうこと?
というわけで、血糖値のメカニズムや今後すべきポイントについてまとめました。治療するほどではないけれど健康診断で血糖値の数値が引っかかった人(境界型予備群)は参考にしてください。まだ間に合います。
何より、知ることが肝心ですよ〜。
(※引用先は国や医療機関など信頼できるサイトのみ。まとめサイトは排除しています。)
血糖値とは?
そもそも血糖値・・・「血の糖の値」とはなんでしょう。一言でいうとこうなります。
・血糖値〜血液の中に存在するブドウ糖の濃度
血糖値は、血液中に含まれるブドウ糖(グルコース)の濃度のことです。食事中の炭水化物などが消化吸収されブドウ糖となり血液に入ります。このため血糖値は健康な人でも食前と食後で変化します。通常であれば食前の値は約70~100mg/dlの範囲です。
(出典:厚生労働省eヘルスネット)

血糖の濃度が上昇すると、すい臓から分泌される「インスリン」というホルモンの働きにより、ブドウ糖が身体の細胞に取り込まれ、エネルギー源として利用されます。
(出典:厚生労働省eヘルスネット)
・砂糖(ショ糖)=ブドウ糖+果糖
・果物→果糖の甘さ
果糖は血糖値が上がらないの?
果糖は血糖値をほとんど上昇させず、インスリンの分泌もほとんど促しません。
リンゴ1個(約240g)のカロリーは約150kcalであり、ビタミンC含量は8mg、遊離糖含有量は35.6g(果糖:18g、ブドウ糖:6g、ショ糖:9.6g、ソルビトール:2g)、水溶性食物繊維含量は0.95g、不溶性食物繊維含量は2.95gくらいだそうです。
(出典:ドクター江部の糖尿病徒然日記「果物の糖質」)
・果糖18g
・ブドウ糖6g
・ショ糖9.6g
・ソルビトール2g
江部先生の「果糖の代謝は特殊」記事に書かれていることをざっくりまとめるとこういうことに。
・余分なものはグリコーゲンや中性脂肪に変換される。ブドウ糖は10%程度
・グリコーゲンの蓄積には限りがある
・果糖を摂りすぎると中性脂肪が蓄積されていく
・ブドウ糖が血液中に増えて血糖値が上がる
・インスリンが膵臓から分泌される
・インスリンによりブドウ糖が脳や細胞に運ばれエネルギーとして利用される
・余分なものは中性脂肪となる
いったん、ブドウ糖と果糖をまとめます。
血糖値の上昇をみるGI値では「ブドウ糖>砂糖>果糖」ですが、中性脂肪値の上昇速度は、「果糖>砂糖>ブドウ糖」となります。
(出典:ドクター江部の糖尿病徒然日記)
・中性脂肪値の上昇速度「果糖>砂糖>ブドウ糖」
・果糖18g
・ブドウ糖6g
・ショ糖9.6g
・ソルビトール2g
まあ細かいことを言えば、ソルビトール(糖アルコール)はブドウ糖の半分くらい血糖値を上昇させますし、ショ糖は<ブドウ糖+果糖>です。
・果糖はブドウ糖とくっついて「ショ糖」にも
・体内でブドウ糖や果糖などの単糖類になり吸収、変換される
余ったら脂肪になる。
なぜ血糖値は上がるの?
ブドウ糖自体は私たちが生きているうえで欠かせないもの。だから生きている限りブドウ糖を摂ることになります。ブドウ糖を摂れば血液中に取り込まれ、血糖値は必ず上がります。これは健康な人でも同じ。では、健康な人と糖尿病持ちの違いは?
それは・・・
すい臓から出るインスリン
このインスリンがちゃんと働いて、血糖をコントロールできているか否かの違い。
たとえば、ドカ食いしたときインスリンは大忙し。わっせわっせいいながらブドウ糖を脳や筋肉に運んで濃度を調整してくれます。食いしん坊には最高のパートナーですね。でもブドウ糖が余ったら肝臓(グリコーゲン)や脂肪として蓄えられていきます。要は太ります。一見健康なデブの出来上がりです。でも、インスリンがわっせわっせに疲れ果てて引退してしまったら・・・。
判定区分 | 空腹時 | ブドウ糖75g 接種後2時間値 |
異常なし (正常型) |
(正常)100mg/dl (正常高値)100~109mg/dl |
140mg/dl未満 |
予備群 (境界型) |
110~125mg/dl | 140~199mg/dl |
糖尿病 (糖尿型) |
126mg/dl以上 | 200mg/dl以上 |
高血糖の主な原因
高血糖の主な原因といえば・・・
あらゆる生活習慣が関係しているといわれています。とくに家族に糖尿病の人がいたら要注意。血糖値が上がりやすい体質かもしれません。
おもな合併症
高血糖が続くと、血管が傷んで様々な病気になる恐れがあります。全身の血管に負担がかかることにより様々な合併症が起こります。
細い血管に負担がかかる糖尿病による三大合併症
糖尿病性神経障害
最悪、足を切断。
糖尿病性網膜症
最悪、失明。
糖尿病性腎症
最悪、人工透析。
高血糖により太い血管の動脈硬化が進行して起こる合併症
高血糖により、血管の壁を傷つきやすくなります。傷ついた壁にはコレステロールなどがたまりやすくなり厚く硬くなっていきます。この状態が動脈硬化。壁が厚くなることで、血管が細くなり血液が流れにくくなることで心臓や脳に必要な酸素が栄養が届きにくくなります。悪化すると・・・
脳梗塞
脳組織が壊死します。壊死した部位によって様々な障害が残ることも。
虚血性心疾患
狭心症や急性心筋梗塞など心臓の疾患です。
閉塞性動脈硬化症
足の動脈硬化。しびれや痛み、歩行が困難になることも。
血糖値の調べ方
病院で血糖値の検査を受けてみようと思うきっかけは年に1度の健康診断、という人がほとんどではないでしょうか。
健康診断の検査結果で見るところは、ココ。
△「糖代謝関係」の項目。空腹時血糖値とヘモグロビンA1cのところにある数値です。数値が異常だと「*」マークがつきます。
このマークを「見なかったことにする」人が多いんですよね〜。
「*」マークがあった場合は、病院で検査を受けて数値を調べます。病院へ行く前に、もっと手軽に調べられないの?
たまたま」の可能性もあるし・・という往生際が悪い方、あります。
食後の尿にブドウ糖が混ざっているかを調べるキットです。普通のドラッグストアや薬局で手に入れることができます。


先ほどから説明しているように、ブドウ糖は体に必要なものなので尿に出てくることはありません。なので、糖代謝が正常な人はおしっこをつけても「ほとんど検出されず」=「陰性(-)」(検出限界以下)の結果がでます。しかし、高血糖の人は尿と一緒に処理しきれないブドウ糖が排出されてしまうので、「陽性(+)」〜「陽性(+++)」になってしまうんです。
病院で血糖値を検査する方法
病院で検査する場合、ブドウ糖を飲んで検査します。
食後血糖値〜200mg/dL以上
ヘモグロビン(Hb)A1c〜6.5以上
HbA1cは、体内に酸素を運ぶヘモグロビンとブドウ糖が結合したもの。結合してから120日間はその状態を維持するので、血糖値の平均を推測できます。
今すぐにでもできること
高血糖の問題は2つあります。血糖値が高い状態が続くことと、血糖値が急上昇すること。最近話題の「血糖値スパイク」にもつながる話です。
血糖値スパイクは、空腹時の血糖値は正常なのに、食後の短い時間だけドカンと血糖値が上がってドカンとまた下がっていく状態。さきほど、ブドウ糖による検査は食後2時間後でしたがその前に血糖値が下がってしまうので糖尿病が見つかりにくい、なんてことも起こりうるというのです。
空腹時血糖値〜正常
食後血糖値〜正常
ヘモグロビン(Hb)A1c〜正常
心筋梗塞を起こして病院に運ばれた40代の男性。検査の結果、心臓から延びる太い血管が「動脈硬化」を起こして細くくびれ、血流が滞っていました。これまで男性は、健康診断で心臓に問題を指摘されたことはありません。しかし、医師から告げられた思いもよらない動脈硬化の原因は、“血糖値スパイク”。なぜ食後の血糖値の急上昇が、動脈硬化を引き起こすのでしょうか?
イタリアの最新研究で、そのメカニズムが突き止められました。血管の内壁の細胞を糖分の多い液と少ない液にかわるがわる浸し、血糖値の急上昇が繰り返されているような状態にしたところ、細胞から大量の「活性酸素」が発生することが判明。活性酸素は、細胞を傷つける有害物質です。“血糖値スパイク”の状態を2週間続けると、細胞のおよそ4割が死んでしまいました。実はこれが動脈硬化につながる原因。
血管の壁が傷つくと、それを修復しようと集まった免疫細胞が、傷ついた血管壁の内側に入り込んで壁を厚くし、血管の内側を狭めていきます。それが「動脈硬化」です。“血糖値スパイク”が繰り返し起きている人は、血管のあちらこちらで少しずつ動脈硬化が進行し、やがて心筋梗塞や脳梗塞を引き起こすリスクが高まると考えられます。
(出典:NHKスペシャル)
・早食い→血糖値が急激に上がる→大量のインスリン分泌→満腹中秋を刺激する前にドカ食い→余ったブドウ糖が脂肪になる
なぜ糖尿病なのに高級寿司食べ放題20貫食べても血糖値は上がらなかったのか?
・早食いではなくよく噛んで食べる
・食後は横になるのではなくウォーキングなどの運動する
◆対策1 食べる順番は「野菜」⇒「肉・魚」⇒「ご飯・パン」
食物繊維を多く含む野菜などを最初に食べると、食物繊維が腸の壁をコーティングし、後から糖が入ってきた時に、その吸収をゆっくりにする作用があります。
その次に食べるなら、タンパク質や脂質を含む肉や魚など。胃から腸へ運ばれる際、タンパク質や脂質に反応して「インクレチン」というホルモンが放出され、その働きで胃腸の動きが遅くなります。
その後にご飯やパンなど糖質を含むものを食べれば、消化吸収に時間がかかるため、血糖値の上昇が緩やかになるのです。(とはいえ、糖質をたくさんとれば、やはり食後の血糖値の過剰な上昇を招きます。糖のとりすぎには気をつけましょう。)
◆対策2 「朝ごはん」はちゃんと食べよう!「ごはん抜き」は厳禁
実験によれば、1日3食を規則正しく食べている時には“血糖値スパイク”が生じなかった人でも、朝ごはんを抜くと、昼食の後に“血糖値スパイク”が発生。朝食も昼食も抜くと、夕食の後にさらに大きな“血糖値スパイク”が生じてしまうことがわかりました。つまり、しばらく何も食べずにいた後の食事では、“血糖値スパイク”が一層起きやすくなるのです。
忙しくても、きちんと3食食べることが、“血糖値スパイク”を解消する重要なポイントだったのです。
◆対策3 「食後すぐ」の「ちょこちょこ動き」が効果的!
“血糖値スパイク”を抑えるには、運動も大事。と言っても、そんなに大したことをしなくても効果があることが、最近の研究で明らかになってきました。食事のあと、「食休み」と思って動かずにいると、とくに “血糖値スパイク”が起きている人はなかなか血糖値が下がらず、血糖値の高い状態が続いてしまいます。ところが食後すぐにちょっとした散歩をした程度でも、速やかに血糖値が下がることがわかったのです。
ブドウ糖と果糖の違いや特徴すら知らず、糖質は血糖値が上がらないという思い込みで糖質制限をしてきたことに我ながらびっくりです。なんちゃって糖質制限(糖質量×3で上昇度を単純計算してきた)で高血糖とダイエットに向き合ってきたことになるわけですからね。いかに自己判断がリスクを伴うのかを思い知らされました。
一方で、食べる順番、ゆっくりよく噛んで食べる、そして運動の3つは生活習慣に取り入れたいポイントだと確信しました。血糖値を気にしない人も食事内容を変えることなく出来ることなので実践してはいかがでしょう。
(日々つむ編集部)
※糖代謝でいえば、高血糖はもちろんのこと低血糖も危険です。薬を服用されている方は体を動かすことで血糖値が下がりすぎることもあります。当サイトの情報だけでセルフジャッジせず医療機関で相談するようにしてください。